ぐだぐだと書いていた小話が終了しましたー。(続きから読んでいただけます)
いやしかしこれだけのものに一体どんだけ時間を掛けたんかっつーね・・・ほんとはもっとさくさく書くつもりだったんですけどねーって言い訳にしかなりませんけども^^;
まぁちょっとこれで一区切り感です。
さて、これでいよいよ夏に向かって・・・!
つーことで。
夏コミ、無事にスペースいただけてましたー ヽ(´▽`)/ キャフー
あああ良かったぁ(笑) いつもながらに当落発表の日は朝からドキドキしますね!
気にしちゃいけない気にしちゃいけない、と仕事中考えないようにしていても帰る頃には緊張しすぎで胃が痛くなるという・・・相変わらず弱い私です(笑)
さて、無事スペースをいただけたということで。色々バタバタとしてはいますが原稿を頑張りたいです。今度は普通な(?)アレニルの予定!
久し振りにちょっと重た目の話なんか書けたらなぁ、と目論んでおります。さぁて、頑張るぞ!
以下ようやっとこさ出来た(爆)小話。ライニル。
先日のイベントで、ウチのライルは残念な子が多いよねっていう話になって、それじゃかわいそうだよ!と言われたのでちょっと残念じゃない(笑)ライルを目指してみました。
・・・あくまでも目指してみただけでカッコいいまでは辿り着かなかったかも(爆)
いやしかしこれだけのものに一体どんだけ時間を掛けたんかっつーね・・・ほんとはもっとさくさく書くつもりだったんですけどねーって言い訳にしかなりませんけども^^;
まぁちょっとこれで一区切り感です。
さて、これでいよいよ夏に向かって・・・!
つーことで。
夏コミ、無事にスペースいただけてましたー ヽ(´▽`)/ キャフー
あああ良かったぁ(笑) いつもながらに当落発表の日は朝からドキドキしますね!
気にしちゃいけない気にしちゃいけない、と仕事中考えないようにしていても帰る頃には緊張しすぎで胃が痛くなるという・・・相変わらず弱い私です(笑)
さて、無事スペースをいただけたということで。色々バタバタとしてはいますが原稿を頑張りたいです。今度は普通な(?)アレニルの予定!
久し振りにちょっと重た目の話なんか書けたらなぁ、と目論んでおります。さぁて、頑張るぞ!
以下ようやっとこさ出来た(爆)小話。ライニル。
先日のイベントで、ウチのライルは残念な子が多いよねっていう話になって、それじゃかわいそうだよ!と言われたのでちょっと残念じゃない(笑)ライルを目指してみました。
・・・あくまでも目指してみただけでカッコいいまでは辿り着かなかったかも(爆)
+ + + + + + + + + +
・ライニル
・ニール生存捏造
脳裏に焼き付いて消えない光景。
忘れたいのに忘れられない、いや忘れてはいけない記憶。
それは時として悪夢と言う名の形に姿を変えて甦り、不意に襲い掛かっては忘れるな、忘れてはならぬと存在を主張して、ともすれば今ようやく迎えたこの穏やかな時間さえも壊すかのように苛んでいく―――
元の形がなんだったのか、原形すら留めていない瓦礫の山。そこからもうもうと立ち昇る煙。そして瓦礫の隙間から流れ出る・・・。
実際には一度しか見ていないはずなのに何度も何度も繰り返し夢見た所為か、何時しかの光景は今でもリアルに覚えている。思い出せる。
覚えていたくも、思い出したくも、ないのに。
それはあまりにも強烈だったからなのか、それはたとえ夢の中だとしても鮮明で。過去のことだと理解ってはいても、それでも時々現実との境界がわからなくなりそうだった。
目の前に築かれた灰色の瓦礫の山。空を覆い尽くす黒い煙。
そして誰のものかわからない赤、赤、赤、あか―――
夢の中でも『ひっ』と息を呑んだ気がした。
まるでこの世のものとは思えない、あまりにも凄惨な光景。それらは思い出すだけでも苦痛だ。
だからその苦痛から逃れようと、これ以上は見たくないと、頭の中で自分自身が警鐘を鳴らしている。思い出してはダメだ、いけない、思い出すな―――と。
けれど、それでも繰り返し夢見た光景は、まるで壊れたレコーダーのように止まることなくその双眸に映り続けていく。
いや、もう脳が覚え切ってしまっているのだろうか。あの日見た、眼前に広がる凄惨な光景を。そしてそこに見付けたものを。
まるで条件反射のように、こちらの意志などまったく関しようともしないで。
『イヤだっ、止めてくれ―――』
夢の中で、張り裂けんばかりの声で叫んだ。もうこれ以上見せないでくれ、思い出させないでくれとばかりに。
が、無情にもその願いが叶うことはなく、次の瞬間目にしたものは、瓦礫の隙間から微かに覗く、まだ幼かった妹の小さな―――
「兄さんっ!兄さんっ・・・ニール!」
「―――っ、」
何度見ても決して慣れようとはしない、あの衝撃的な光景が目に映った瞬間、激しく身体を揺さぶられる感覚と何度も自分を呼ぶ声に引き戻されるようにしてニールははっと目を覚ました。
一瞬、何が起こったのかまるで理解出来ない。頭の中がひどく混乱している。今、ニールのその目に映る光景が、先ほどまで見ていたものとはまったくと言っていい程似ても似つかないものだったからだ。
何が現実でどこまでが夢だったのか―――
動揺するニールには、その境界が瞬時に判断することが出来なかった。
ただ、は、は、と吐く息は浅く、呼吸が乱れている。そしてじっとりと全身に掻いた汗が気持ち悪い。それだけはぼんやりとした頭でも理解る。
だからすぐにいつもの夢なのだと理解した。ああ、またいつものあれなのだ、と。
そんなことに慣れたくは決してないのだけれど、それでも何時しか馴染んでしまったこの一連に、思わず自嘲がこもったものと、そして幾許かの安堵が交じった溜息をニールははぁ、と深く吐いた。
もう数え切れないほど夢見たあの日の光景。あれから十年以上も経っているというのに夢の中のそれは今でも生々しく、そして今も自分を苦しめている。
きっとそれは、この先もずっと抱えていくものなのだろう――
そう思うと忘れてはいけないものだと普段は自身を戒めていても、それでもニールは隠し切れない翳りを浮かべざるをえなかった。夢を見たばかりの所為か、考えただけでも気分が憂鬱になってくる。
「・・・兄さん、大丈夫?」
するとそんな自分を見かねてか、頭の上から自分を心配する声が届いた。その声に誘われるようにニールはゆるゆると頭を上げると、そこには自分を悪夢から救い出してくれた弟のライルの、顔。
そんな彼の存在に、ニールは未だ張り詰めていた身体の力がふっと解けていくような気がした。
そう、まだ自分にはライルがいる。ライルがいるから、生きていける。
けれど一方で、ライルも隣で眠っていたはずなのに自分の魘される声で起こしてしまったのだろうか、そうだったら悪いことをしたな、とニールは自分を心配気に見つめる同じ顔をした弟を見て未だはっきりとしない頭でぼんやりとそう思った。
「ずいぶん魘されてたけど・・・またあの夢?」
まるで自分も同じものを見ていたのだというように表情を歪めながら訊ねてくるライルに、ニールはつきりと胸が痛み、悲しくなる。ああ、自分はまたライルを苦しめているのだ、と。そんなことは少しも望んではいないのに、と。
双子という特別な絆を持った、たったひとりの家族である弟・ライル。
そんな何よりも大切な存在を守ろうと、守りたいと、決して悲しませないようにと、その未来には光だけをと心に固く誓ったはずなのに。その為には自分が出来ることは何でもしようと決めたはずなのに。
なのに結局自分はライルを苦しめている。
(こんな表情、させたいわけじゃねぇのに・・・)
そしてライルにこんな表情をさせてしまう原因がこの自分なのかと思うと、ニールはよけいに居た堪れなくなり悲しくなった。自分が決めたことを欠片も成すことが出来ず、ただただ過去に捕らわれ苦しみ続ける弱い自分が情けなく恨めしい。
「兄さん・・・」
「ん、大丈夫だ。大丈夫だよ、ライル」
曇った表情のままのニールを心配して再び声を掛けてきたライルの言葉を遮るように、ニールは大丈夫だと幾分ぎこちないものではあったが笑みを顔に貼り付けた。
実際、その言葉だって現状から見れば説得力の欠片など少しもないかもしれない。今だって夢の所為で早くなった鼓動はまだどくどくと音を立て落ち着こうとはしていないし、手にはじわりと嫌な汗が滲んでいる。
けれど、それでもそう言わずにいられないのは『兄』としての矜持であり、また何より大切でかけがえのない存在であるライルにこれ以上の心配を掛けさせたくなかったからだろう。
だから、自分なんかの為に憂慮なんか抱かないでおくれと、自分は大丈夫だから、だから心配しないでくれと、出来ることならおまえにはいつも笑っていて欲しいんだと、言葉に出来ない気持ちを伝えるように、ニールはまだ自分を心配そうに見つめるライルの頬にそっと手を伸ばし触れた。
「おれは大丈夫だよ、ライル」
精一杯の笑顔を作ってもう一度そう囁けば、ライルは一瞬より苦しそうに顔を歪めたけれど、しかしその触れた手からニールの気持ちが伝わったのか、ふと表情を崩すと『わかったよ』と頷いて優しい笑みをその顔に浮かべた。
そんなライルにニールはほっと胸を撫で下ろす。そしてライルのその表情に、幾分心の澱みが軽くなったような気がした。
彼が、ライルが生きて笑っていてくれれば、自分はどんなに苦しくても生きていける―――
すると突然、優しい表情を浮かべていたはずのライルのそれが真摯なものになると、不意にぎゅっと抱き締められた。
「っ、ライル・・・?」
あまりにも突然な抱擁にニールは思わず戸惑った声を上げるが、しかしライルは構うことなくその腕の力を緩めるどころか更に強く強く抱き締めてくる。
痛いほど、苦しいほどの抱擁。
何かを訴えるような、そんなライルの行動にニールは『どうしたんだ?』と声を掛けようとした瞬間、ライルは躊躇いながらも、けれどどこか思い詰めたような声で語りかけてきた。
「・・・だけどさ、兄さん。兄さんも俺を頼ってよ。何もかもひとりで抱え込もうとしねぇで、俺にも半分背負わせてくれよ。頼むから・・・」
俺だって兄さんの力になりたいんだ、と苦しげに呟かれたその言葉に、ニールははっと目を瞠り、そして胸はぎゅっと何かに締め付けられるかのように苦しくなった。
弟が、ライルが、そんな風に思っていたなんて。思っていてくれたなんて。
嬉しいと思うと同時に、やはり、悲しくもなった。そんな風に思わせていたなんて、と。やはり自分はなんて情けない、ダメな兄なんだろう、と。
そしてこの弟は、ライルは、なんて強いんだろうと思う。自分のようにいつまでも過去に捕らわれることなく、前を向いて、未来だけを見据えて生きていこうとしていて、それでもこんな自分の力になりたいと言う。そんな彼が眩しく、そして誇らしい。
誰よりも何よりも大切でいとおしくて、自慢の弟。
そんな弟に比べて自分は―――
ニールはライルに気付かれないよう、堪えるように奥歯をぐっと噛み締めた。ライルのように強くなれない自分がひどくもどかしくて堪らない。
兄なのに。ライルを守らなければならない立場なのに。
思わず自分の不甲斐無さに、そしてライルの優しさに、瞳の奥が不意にじわりと熱くなってくる。じわじわと抑えきれずに込み上げてくるそれを隠すように、ニールはライルの肩へとそっと顔を埋めると。
「・・・・・ごめんな、情けねぇ兄貴で・・・」
未だ自分を気遣う瞳で見つめ続けてくるライルに、それだけを返すのがやっとだった。
縋るように抱き着いてきた身体を、宥めるようにその背中をぽん、ぽんと優しく叩いて抱き締めていてやれば、先程よりは幾分落ち着いたのか、ニールはやがて再度眠りに落ちたようだった。すうすうと規則正しく聞える寝息に、ライルはほっと胸を撫で下ろす。どうやら夢の続きは見ていないようだ。
兄が、ニールが見ていただろう夢の内容は聞かずともわかった。きっとあの日の事に違いないだろう。
自分たちの運命を大きく変えたあの日の、夢―――
あれから十年以上経った今、その回数は少しずつではあるが減ってきてはいるものの、しかしそれは今も確実にニールを苛み続けている。
一体、いつまで続くのだろう。あと何年・・・いや、もしかしかたらこの先もずっと―――
そう思うと、ライルの胸は締め付けられるように苦しくなった。まだこんな夜が繰り返されるのか、と。
もともと自分たちはひとつだった。それが別たれてふたりになっただけで、でも自分とニールが持っているものは同じだったはずなのに。
だがあの日、あの場に居合わせたのはニールだけで、自分は居合わせることはなかった。
たった、たったそれだけのことなのに。
だがそれだけのことが、何もかも同じだった自分たちに差異を作ってしまった。
あの日のことは今でもニールの中には大きな傷として残っていて、でも自分にはその傷はない――― それが自分とニールを隔ててしまっているような、そんな気がしてならなかった。
双子という特別な絆で結ばれた自分とニール。
だからこそニールが抱えるその傷が、自分にはないことがどうしようもなく悔しくて、そして申し訳ない。
どうせならその傷も一緒に抱えたかったのに。他のものはなくてもいい。その傷だけをふたりで一緒に背負って行けたらよかったのに、と。
そうすればニールひとりが苦しむことなく、自分も共にその苦しみを分かち合えたのに。
ライルはひどくもどかしい気持ちを抱えながら、ふぅ、とあきらめにも似た溜息をひとつ、溢した。
今さら何を言っても仕方のないことだと理解ってはいるけれども、それでもライルはニールが悪夢に魘される度にそう願わずにはいられない。
どうか、どうかこの優しい兄がこれ以上苦しまずにいられるように、と。
ふと、緩やかな上下を繰り返しているニールの背中を見てライルは思った。兄の、ニールの背中はこんなにも小さかっただろうか、と。
いや、実際には立派に成人した男性で、しかも大柄な方に入るニールの背中が小さいといったはずがない。充分に広い方だとは思う。
だがライルには、昔自分が描いていた兄の背中に比べると、何だか、少し小さくなってしまっているような気がしたのだ。
子供の頃は何でも器用にこなす兄が羨ましくてならなかった。成績もスポーツも射撃も、何ひとつ敵うものがなくて、ニールはライルの羨望の的であり、そして目標だった。
いつか兄のようになりたい。いつも一歩先を行くニールに並び、追い越したい。ずっとそう思っていた。
だから追い掛けるニールの背中が当時のライルには大きく見えていたのかもしれない。
それから十年以上経ち、自分の中にあったコンプレックスもいつの間にか薄れ、隣に立てると自分に許したライルには、あれほど大きく見えていたニールの背中も自分と変わらない大きさに見えるようにはなっていた。
けれど今、悪夢に魘され、過去に苦しむ兄の姿はどこか頼りなくもあり、儚くも見える。だからその背中も小さいように錯覚してしまうのかもしれない。
なればこそ、よけいに兄を、ニールを守りたいと思う。頼もしいようで、実は脆い彼を。
それは今のこの姿を見たから、というわけではない。ずっと、ライルがその胸に秘めていたことだ。
たったひとりの肉親であり、誰よりも近しい血を持ち、そして何より兄と弟という関係を超えて何にも代え難いほど大切でいとおしいニールを守りたいとライルはずっと思っていた。
だから、その苦しみをどうか自分にも分け与えて欲しい、と願う。自分ひとりで抱え込もうとせずに、どうか自分にも、と。元はひとつのものだったのだから、だから一緒に背負っていこう、と。
『・・・・・ごめんな、情けねぇ兄貴で・・・』
ふと、先程のニールの言葉がライルの脳裏に甦った。その彼の言葉に、ばかだなぁ、と思う。
何も自分にまで頼もしい兄でなくてもいいのに、と。自分にはありのままの、本当のニールでいてくれればいいのに、と。そんな姿は、あのいつまでも危なっかしい奴らにだけ見せておけばいいんだから、と。
甘えることが下手なニールだから仕方がないけれど、それでももう少し、自分に頼ってくれよ、とライルは心の中でそう語り掛け、その身体をぎゅうっと抱き締め彼の体温を感じながら、ライルもまた瞳を閉じた。
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