図々しくも大好きなCafeパロでアレロクをリクして書いてもらってもう幸せーvv 成層圏の向こう側まで飛んで行きそうな勢いです (´艸`)vv
松元さん、ありがとうございました ヽ(´▽`)/ 素敵なSSはつづきから!!
ライルの淹れてくれたアイスコーヒーをきれいに飲み干したハレルヤは、隣の席に置いていた鞄を取り上げ肩にかけた。カウンターから出てくるライルを横目に、カットフルーツの入ったアイスティーを飲んでいるアレルヤの肩に触れる。
「じゃあ行ってくる。帰りいつになるかわかんねーから先寝てていいぞ」
「うん、行ってらっしゃい」
そうして頬にキスをしあう。
ひらひらと手を振って、デートへと出かけるハレルヤとライルを見送ってから再びアイスティーに向き直ったアレルヤは、そこでようやく、ロックオンが眉間に皺を寄せてこちらを見ていることに気付いた。それはいかにも『俺は不機嫌です』といった風で、思わずくすりと笑ってしまった。
「なんだよ」
「なにが?」
「だから、さっきの。いつもあんなことしてんの?」
あんなこと。それを差すものが何なのかアレルヤにわからないはずがない。プラスチック製の可愛らしい楊枝でオレンジを突き刺したアレルヤは、それでも首を傾げてはぐらかしてみせる。ますます憮然としていくロックオンの反応が愛しくてならない。
洗ったばかりのポットを拭きながら、ロックオンが心持ち低くなった声で「だーからぁ、」と唸った。
「ハレルヤとキスしてただろ」
「ただのスキンシップだよ。ロックオンだってほっぺにちゅーくらい、ライルさんとするでしょう?」
挨拶で軽いキスを交わすくらい欧米では普通だと聞いたことがある。その話を持ち出してやれば、ますます不貞腐れたロックオンはガンッとシンクにポットを置いた。大切にしている白い陶器をそんな風に扱うところは初めて見る。さしものアレルヤもぎょっとしてロックオンを見た。
俯いたロックオンの顔は長い前髪に隠れてよく見えない。ぐっと力の入った体をそのままに、「アレルヤは、」と小さく呟く。
「俺がライルとキスしてもいいと思ってんのか?」
「そんなこと! ――ごめんなさい、ちょっと調子に乗りすぎました」
アイスティーから手を離し、カウンターから身を乗り出してさらりとその甘い色の前髪を掻き上げる。そこでようやく、アレルヤはロックオンの表情を見た。――口許が震えている。
「……ロックオンー?」
「っごめ、だっておまえ、明らかに、俺で遊んでたから……っ」
もう限界だと、そう言ってロックオンは肩を震わせて笑い出した。どうやらからかわれていたのはアレルヤのほうだったらしい。深い息をついたアレルヤは、再び椅子に腰掛けてアイスティーの中のフルーツを口に放り込んだ。オレンジの甘酸っぱい味が口に広がる。
今度はアレルヤが憮然とするほうだ。椅子に横向けで座りなおし、長い足を組む。未だ笑い続けているロックオンを横目にしながらグラスを取り上げた。
「ロックオンって時々すごく子どもっぽいよね」
「怒るなよ、悪かったって。ほら、何か甘い物も作ってやるから」
そう言ってガタガタと準備を始めたロックオンの手を掴む。じいっとそのラグーン色の目を覗き込んで、至極真面目な声でアレルヤは低く言った。
「だったらロックオンがいい」