アレルヤ、ハレルヤ、誕生日おめでとう ヽ(´▽`)/
ということで、原稿の手を休めてアレハレ誕小話をひとつ。
今年は祝えてよかった・・・!←
ニールが先天性♀の幼恋(オフ本)設定なので、苦手な方はスルーしてくださいね。
・・・しかし誕生日話と言っていいのか、これ・・・オチがひどすぎるww しかも最後は何となくやっつけ感が・・・(汗)
というシロモノなので期待はしないでー ←
ということで、原稿の手を休めてアレハレ誕小話をひとつ。
今年は祝えてよかった・・・!←
ニールが先天性♀の幼恋(オフ本)設定なので、苦手な方はスルーしてくださいね。
・・・しかし誕生日話と言っていいのか、これ・・・オチがひどすぎるww しかも最後は何となくやっつけ感が・・・(汗)
というシロモノなので期待はしないでー ←
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・ニール♀の幼恋設定
・(一応)アレハレBD
「誕生日おめでとう。アレルヤ、ハレルヤ」
少し恥かしそうに、でもにこやかに微笑みながらニールがテーブルの上に差し出してきたものに、アレルヤとハレルヤの顔が僅かに引き攣った。
そのふたりの目の前に差し出されたものは、ニールの肌のような真っ白いクリームで一面を飾られたもの。形が少し歪になっているところはご愛嬌といったところだろう。
そんなテーブルの上にどんと置かれたそれは、どうにもニールお手製の手作りケーキに見えた。
『いや、どこからどう見てもケーキ以外に見えないだろう』とニールが胸を張って言いそうなほど、ケーキそのものだ。
たとえば街行く人に訊ねてみれば十中八九の人が『ケーキだ』と答えるほどの出来栄えのそれに、ニールの顔もどこかほこらしげだった。
ほら、どうだ―――?
まるでそんな心の声が聞こえてきそうなほどに。
けれど、ほこらしげににこにこと笑顔のニールに反してアレルヤは頭では賛美の声を上げたいと思ってはいるものの、しかし表情はなぜか強張っていて戸惑っているようにも見える。
対してハレルヤは一見いつも通りの無表情だが、しかしよくよく見れば普段から寄っている眉間のしわがいつもより一本多く刻まれていた。
「な、なんだよ・・・」
だから想像とは違った反応をふたりから返されたニールは戸惑いながらも少々不満気味な声を上げる。そしてふたりがなぜそんな反応を示したのか、その理由をニールはすぐに気が付いた。
「き、今日は間違えなかったから大丈夫だって!ちゃんとうまく出来ている、はず・・・だから・・・」
だから安心しろ、と胸を張って言いたかっただろう言葉は、しかし語尾になるに連れてだんだんと自信なさげに小さくなっていってしまった。というのも、そんなニールの言葉を聞いてもアレルヤとハレルヤの表情が曇ったままだったからだろう。
ニールはその、どこか困ったような表情のままのふたりを見て、今までの浮かれていた気分が一気に深い底へと突き落とされてしまったようだ。思わずしゅん、と顔を俯かせてしまう。
(せっかく朝から張り切って作ったのに・・・)
アレルヤとハレルヤが戻って来て初めての誕生日。せっかくだから、とそして先日のリベンジとも併せて生クリームたっぷりのケーキを作ってはみたけれど、どうやらそれは空回りに終わってしまったようだ。今度こそ喜んでくれる、と思っていただけにニールの落胆は大きい。
しかし、その分だけ先日のアレがふたりの中にトラウマとして残ってしまっているのだろうかと思うと、ニールはさらに落ち込んでしまいそうだった。
ニールとしては決して悪気があったわけではないのだが、それでもアレルヤとハレルヤに辛い思いをさせてしまったことには間違いない。自業自得だと言われればそれまでなのだ。
だから『今日は大丈夫!』と胸を張ったところで、先日の結果からふたりに信用してもらえないのは致し方ないことなのだろう。
確かにそれはそれで悲しいことではあるけれど、でも元はと言えば自分の所為でもあるし、仕方ねぇよな、とニールは心の中で自分にそう言い聞かせ、がくりと肩を落としながら差し出したケーキを片付けようと手を伸ばした時だった。
「大丈夫。今日はちゃんと砂糖を入れてたから」
今までじっと事の成り行きを黙って見ていたライルが見るに見かねたのだろう、ニールに助け舟を出してきた。姉思いのライルにしてみれば、やはりらしくない、しょんぼりとした姉の姿がどうにも見ていられなかったのだろう。
そして片手に持っていたカップの中身を啜りながら、さらに念を押すような一言を付け加える。
「俺、ちゃんと姉さんが砂糖を入れてるの、見たぜ」
だから大丈夫だ、とのライルの言葉にニールだけでなく、アレルヤとハレルヤの顔までがどこか安心したようにぱぁっと輝いた。
というのも約二週間前。世間はバレンタイン一色で賑わっている頃。
恋人たちの一大イベントに浮かれる周囲に交じるように、ニールもまたバレンタインを満喫しようとしていた。
念願かなってやっとアレルヤと恋人という関係になれて初めての恋人らしいイベントだ、ニールだって女性なのだから世間の女性たちのように浮かれてみたいと思ったのだろう。そう思ってしまうのも仕方がない。
だからそんなニールが思い付いたのが――誰もが一度は試みる――手作りのチョコレート。
食事の用意はもう当然のように毎日当たり前にしているのだから、チョコレートくらい朝飯前だ――そう思って用意したのがチョコレートケーキ。
だがそこでニールはとんでもない間違いを犯してしまったのだ。
うっかり砂糖と重曹を間違えるという、ありがちで、しかしとんでもない初歩的ミスを―――
ありえないだろ!? と思うミスだが、しかし起きてしまったことは仕方がない。そして何より落ち込んでいたのは当の本人であるニールで、だから『どうして?』と傷を抉るだろう言葉は彼女を大切に想っているからこそ、誰もが口にすることが出来なかった。
そんな三人の胸の内を知ってか知らずか、ニールはそんな失敗にめげることもなく、今日、またアレルヤとハレルヤの誕生日ということで再度ケーキ作りを試みたのだ。
マジでか(本当に)―――!?
ニールが細心の注意を払って作り上げたケーキを前に、アレルヤとハレルヤ、そしてライルが心の中で呟いたのは言うまでもないだろう。
かくして。
「ありがとう、ニール。嬉しいよ」
「・・・・・仕方ねぇな」
ライルの援護もあって、無事アレルヤとハレルヤに喜んでもらえたニールは先ほどよりさらに満足気だ。その表情もにこにこと笑っている。
「心ばかりだけど、どうぞ。いっぱい食ってくれよな!」
「うんっ、ありがとう!いただきます」
「・・・・・ったく、」
そう言って大きく切り分けられたケーキをニールから手渡され、さっそくとばかりにひとくち口へと放り込んだ瞬間――アレルヤとハレルヤの動きが止まった。
「・・・ん?どうした?」
「えっ!?あ、あの・・・すごく美味しいんだけどね、ニール・・・その・・・」
「・・・・・甘ぇ・・・ニール、てめぇ砂糖どんだけ入れやがった・・・」
「へっ!?・・・え?あ・・・ちょっと、多め・・・かな?」
「「・・・・・」」
ちょっとばつが悪そうに笑いながら答えるニールと、その言葉に閉口するアレルヤとハレルヤ。
そんな三人を眺めながら、そういえば・・・とライルはニールがキッチンでケーキ作りに励んでいる時のことをふと思い出した。
『あれ?砂糖どれだけ入れたんだっけ?んー・・・ま、いっか。甘い方が美味いだろうし。アレルヤとハレルヤ、甘いもん好きだしな!』
と、ひとり呟き納得している言葉を。そしてその後に足された砂糖の量を。
(あれはちょっと多すぎだろう、姉さん・・・)
お菓子作りは分量をきっちりと量って作らないと美味く出来ない、という話をどこかで聞いたような気がする。だからよく言えば大らか、悪く言えば大雑把な姉では、少々難しいのかもしれない―――
そんなことをぼんやりと考えながら、ライルは再び手にしたカップの中身をひとくち啜った――が、それは砂糖一つ入ってないブラックコーヒーだというのに、なぜか甘く感じられた。
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